社会を豊かにする普通の人の「起業の教科書」

はじめに

この教科書は、
一攫千金のビジネスを狙う物ではなく、また、いわゆるベンチャー起業やスタートアップと言った新しい産業を興したり、社会変革を興すような起業でもありません。

普通の人が、自分の才能と資本(経験や人脈、環境、境遇)を活かして、地域が必要とする事業を普通に行う方法をまとめたものです。

しかし、結果的に地域社会は豊かになり、新しい産業が産み興されることもあります。
お金を外部から稼ぐために、住んでいる人が不便を被るような開発ではなく、住んでいる人が最も恩恵を受けるような事業が増えていけば幸いです。

社会を豊かにするとは

この教科書において目指すべきことは、社会を豊かにするということです。

では、社会を豊かにするとはどういうことでしょうか。
この本ではこのように定義します。
「社会的資本の蓄積」です。

社会的資本とは、例えば田んぼです。
水田稲作の凄いところは、同じ土地で同じ作物を毎年育てても、土地が痩せるでもなく採れ続けることです。
日本に住んでいると当たり前に思うかもしれませんが、同じ作物を同じ場所で育てて採れ続けるというのは凄いことなんです。
世界史で習う4大文明(メソポタミア文明、黄河文明、エジプト文明、インダス文明)は、いずれも今に残っていませんが、その理由の一つとして、主食であった小麦を栽培し続けて、土地が痩せ、食糧生産ができなくなったからと言われています。
例外があるものの、畑作は同じ作物を育て続けると土地が痩せる問題があります。
ところが、水田稲作はそれがありません。
ないというか、栽培し続けられるように栽培方法と環境を整えた、と言っても良いかもしれません。

田んぼは、山や川の水を引っ張ってきて、水が抜けないように土地を改良し、畦を作ります。
そして周りの生態系と共に環境を育ててきました。
田んぼは、投入する労力に比べて、何倍にもなって食糧を与えてくれます。

この様に、持続可能で生産性の高いものを社会的資本と呼んでいます。
綺麗な飲み水を与えてくれる日本の山々も同じですね。
自然環境の例ばかりを出しましたが、政治や経済、社会の仕組み、工場、企業、教育、あらゆる分野にあります。

持続可能で生産性の高いものを社会に蓄積していくことが、豊かな社会作りになります。

起業を考える流れ

起業は、不確定要素が沢山ある現実の物語です。机上の計算通りにいくものではないので、色んなことが同時に起きますし、順番もぐちゃぐちゃです。なので、この教科書では、考えやすい順番でお伝えしていきたいと思います。決して、この順番でやらなければいけない、と捉えないでください。

起業とは一言で言うと、
「世の中に既にある需要に、自分の資本や専門性で応えていく」ことです。
これをどうやって見付けて、作っていけば良いのか、考え方をこの教科書ではお伝えします。
まずは目次を見てもらい、ざっと流れを把握してみましょう。

(続く・・・)

続きは随時投稿していきますが、全体を一気に読みたい方は、以下からご購入ください。

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