「足りないものを補うビジネス」から「すでにある豊かさをおすそ分けするビジネス」へ | 暮らしと循環のデザイン

「足りないものを補うビジネス」から「すでにある豊かさをおすそ分けするビジネス」へ

「これを知らないと、時代に取り残されてしまいますよ」 「今変わらなければ、ずっと悩みを抱えたままの人生です」

SNSやメルマガを見ていると、こうした「不安」や「危機感」を煽る言葉があふれています。

以前の私も、マーケティングの型通りに「ターゲットの痛みを突き、解決策として自分のサービスを提示する」という発信をしていました。

「今のあなたのお部屋が落ち着かないのは、〇〇が足りないからです」 「このまま放置すると、日々のストレスが溜まり続ける一方です」

確かに、お客様の焦りやコンプレックスを刺激すると、一見問い合わせが増えるように思えます。しかし、発信を続ければ続けるほど、私自身の心の中には重苦しいモヤモヤが溜まっていきました。

「私は本当にお客様を幸せにしたいのだろうか? それとも、不安を植え付けて商品を買わせたいだけなのだろうか……?」

コンプレックスを刺激する「煽り」の限界

世の中の多くのビジネスやマーケティングは、「あなたにはこれが足りない」「このままでは損をする」という“不足感”を前提に作られています。

お客様に「自分は不完全だ」と思わせ、その穴を埋めるためのツールとして商品を売る。これは一見合理的に見えますが、売る側も買う側も、常に不安と裏腹の「奪い合い(搾取)」の構造に巻き込まれてしまいます。

売る側の自分は、心の中で「不安を煽ってしまって申し訳ない」という罪悪感を抱え続けることになり、買う側のお客様も「買わされた」「満たされない」という感覚がどこかに残ってしまうのです。

そんな関係性で成立するビジネスが、長続きするはずはありませんでした。

庭で育ったハーブを「おすそ分け」するように届ける

では、不安を煽らずに、どうやって自分のサービスや価値を届けたらいいのでしょうか?

その答えは、ビジネスの前提を「足りないものを補う(奪い合い)」から「すでにある豊かさを分かち合う(循環)」へと切り替えることにありました。

想像してみてください。 ご近所さんに、自分の庭でたくさん育ったフレッシュなハーブや、美味しく焼けた焼き立てのパンをおすそ分けするときの感覚を。

「これがないとあなたはダメになるよ!」なんて誰も言いませんよね。

「うちの庭でハーブがたくさん採れたの。すごく良い香りだから、よかったらお部屋に飾ったりお茶にしてみてね」

そんな風に、自分が日々の暮らしの中で「これ、すごく心地いいな」「心が和むな」と感じている空間づくりのアイデアや生活の知恵を、ただ素直におすそ分けする。

「あなたも私も、すでに十分豊かで素晴らしい存在である」という前提に立ったとき、発信の言葉は「煽り」から「温かい招待状」へと変わります。

自分も相手も満たされる「温かい循環」の始まり

「今のあなたのままでも素敵だけれど、これを取り入れたら、もっと毎日が心地よくなるかもしれないよ」

そうやって差し出されたものには、不安や恐怖ではなく、温かいエネルギーが宿ります。

お客様も「自分のダメなところを直すため」ではなく、「自分の暮らしをもっと愛おしむため」にサービスを受け取ってくれるようになります。

足りないものを穴埋めするビジネスから脱却し、おすそ分けの循環を始めること。 それこそが、自分もお客様もすり減らすことなく、心から喜びに満ちたビジネスを続けていくための秘密です。

世間の正解や「〇〇すべき」という型に自分をはめ込むのではなく、自分自身の暮らしや感覚を大切にしながら、等身大でビジネスを循環させていくこと。

「私の暮らしも、そろそろ自分でデザインしてみたいかもしれない」

そう感じた方は、ぜひ一度、私たちが大切にしている思想や歩みについて触れてみてください。あなたの心地よい循環を見つけるヒントになれば幸いです。

▼ 自分の暮らしを、自分でデザインする。
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