個人事業主が知っておくべきビジネス構築のヒント
こんにちは、すえなみです。
日々、多くの起業家や個人事業主の方々とコーチングセッションを行っています。皆さんに共通しているのは、「自分の提供するサービスで、誰かを喜ばせたい」「社会を良くしたい」という、とても純粋で熱い想いを持っていることです。
しかし、その「想い」が強すぎるあまり、いつの間にか自分をすり減らしてしまったり、ビジネスとしての仕組みがうまく回らなくなったりしているケースをよく目にします。
本日は、先日のセッションでクライアントの方と対話する中で生まれた、個人事業を長く、楽しく、そしてしっかり利益を出しながら続けていくためのいくつかのヒントをシェアしたいと思います。
現在ご自身で事業を営んでいる方、これから起業を考えている方のヒントになれば幸いです。
1. 原点は「自己犠牲」ではなく「余剰」の提供
事業を続けていると、「もっとお客様に喜んでもらいたい」という思いから、無意識のうちに自分の限界を超えてサービスを提供してしまうことがあります。
しかし、自分の中に「ないもの」を無理に出そうとすると、やがてそれは自己犠牲へと繋がり、どこかで息切れしてしまいます。
大切なのは、自分の心や時間、エネルギーが十分に満たされた状態、つまり「余剰」から溢れ出るものを他者に提供(贈与)することです。「自分は今、無理をしていないか?」「心からの余剰で提供できているか?」という自分の心の閾値(いきち)を定期的に観察することが、持続可能な活動の基盤になります。
セッションでは、こういった「そもそも自分はなぜこれをやっているのか?」という根源的な価値観(根っこ)に深く潜る時間を取ることがよくあります。この土台がしっかりしていると、その後のビジネス設計がブレなくなります。
2. 特殊な条件に縛られない「適正価格」からの逆算思考
ビジネスを始めたばかりの頃は、「知り合いの場所を安く借りられる」「友人だから安くする」といった、特殊な条件でサービスを提供しがちです。
例えば、「通常なら数千円かかる会場費を、オーナーが参加する条件で格安で借りている」というケース。最初はwin-winに見えても、ビジネスが成長し、一般のお客様が増えてきた時に、この条件が足かせ(定員が圧迫される等)になってモヤモヤを抱えることがあります。
こういった場合、私は「正規のコスト(他の場所を適正価格で借りた場合)から逆算して考える」ことをお勧めしています。
「正規の会場費を見込んで、何名集客できれば利益が出るのか」という適正な価格設定と定員を算出するのです。この視点を持つことで、「今の格安な場所でなければ事業が成り立たない」という縛りから解放され、「どこに行ってもこのサービスは提供できる」という大きな精神的・ビジネス的自由を得ることができます。
一人で悩んでいるとどうしても目の前の条件に囚われがちですが、客観的な視点を入れることで、ビジネスモデルは一気に強固になります。
3. 体験会で「すべてを満足させてはいけない」理由
サービスを広めるために、気軽に参加できる「体験会」や「お試しレッスン」といったフロント商品を作る方は多いでしょう。
ここで陥りがちな罠が、「せっかく来てくれたのだから」と、1回の体験で自分の持っているものすべてを提供し、お客様を「完全に満足させてしまう」ことです。
ビジネスにおける体験会の役割は、本体のサービス(本講座など)へ進んでいただくことです。そのためには、体験会でお客様に持ち帰っていただくべきは、満足感ではなく「この本講座を受けたら、私はこんなふうに変われるかもしれない!」という強い期待と、現状に対する少しの不足感なのです。
「もっと知りたい」「続きをやりたい」という引力を持たせる「引き算の設計」。これが売れる講座作りの鉄則です。
4. 企画は「アート」ではなく、お客様と「共に創る」もの
新しいイベントやサービスを企画する際、自分(あるいは関係者)の頭の中だけで完璧に作り上げようとしていませんか?
ビジネスである以上、お客様不在の「独りよがりなアート作品」になってしまっては、せっかくの企画も空振りに終わってしまいます。
大切なのは、企画の段階から「参加者(ターゲット層)を巻き込む」ことです。
SNSやメルマガなどで、「今度、こんなテーマの講座を企画しようと思うのですが、興味ある方いますか?」と事前に投げかけてみてください。
これはいわば、小さな市場調査です。お客様の反応を見てから実行に移すことで、確実にニーズのあるサービスを提供できるようになります。
最後に:想いと仕組みを繋ぎ合わせる
個人事業を成功させるには、「社会を良くしたい」「人を喜ばせたい」という右脳的な「想い」と、価格設定や集客動線といった左脳的な「ビジネスの仕組み」の両輪が必要です。
しかし、自分一人でその両方を俯瞰し、繋ぎ合わせるのは至難の業です。「想い」は強いのに「仕組み」の作り方がわからない、あるいは「仕組み」ばかりを追って「想い」が枯渇してしまう……。
そんな時に、自分の思考を整理し、客観的な視点で「想い」と「現実」を接続する壁打ち相手がいると、事業の展開スピードは格段に上がります。
もし今、ご自身の事業の方向性や仕組み作りにモヤモヤを感じているなら、一度立ち止まって、ご自身の「根っこ」を見つめ直す時間を作ってみてはいかがでしょうか。
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