世界はすでに豊かである

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世界はすでに豊かである

なぜ、これほど多くの人が

「足りない」と感じているのでしょうか。

お金が足りない。

時間が足りない。

人が足りない。

資源が足りない。

社会の多くの問題は、

「不足」を前提として語られています。

だから私たちは

何かを増やし続けなければならないと

思い込んでしまう。

けれど、ある時ふと

一つの疑問が生まれました。

もし本当に

生きていくために必要なものが

この世界に足りていないのだとしたら、

そもそも生命は

この地球に誕生していないのではないか。

空気。

水。

太陽。

温度。

栄養。

海の循環。

生命が生まれるために必要な条件は、

すでにこの世界に揃っていた。

だから生命は誕生しました。

そして数十億年という時間の中で、

生命は絶えるどころか、

増え、広がり、複雑な生態系を作り上げてきました。

つまりこの世界は本来、

生命が生きていくことができるほど

すでに豊かな環境として存在している

ということです。


生き物は「集める存在」である

あるパーマカルチャーデザイナーの

一つの言葉が、この理解を決定的にしました。

生き物は、物質を集める存在である。

反対に、

非生物は拡散する。

これは物理学で言う

エントロピー増大の法則です。

放っておけば

物質もエネルギーも広がり、

秩序は崩れていきます。

しかし生き物は違います。

生き物は

外から物質を集め、

秩序を作ります。

例えば野生動物は、

外で食べ物を食べ

住処に戻って排泄します。

すると住処には

栄養が集まり、

微生物が増え、

植物が育ち、

さらに豊かな環境になります。

つまり生き物は

存在するだけで

環境に物質を集め、

豊かさを生み出す存在

です。

これは人間も同じです。


豊かさが見える場所

この考えは、

特別な理論の中だけにあるものではありません。

実は、

私たちの身近な暮らしの中に

その姿を見ることができます。

森の中に入ると、

「足りない」という感覚はあまり生まれません。

水があり、

植物があり、

動物がいて、

土が循環しています。

森は

誰かが資源を配っているわけではありません。

それぞれの生命が

関係し、循環することで

豊かな環境が保たれています。

森は、

世界はすでに豊かである

という事実を

体感できる場所です。


田んぼ

田んぼでは、

一粒の種から

数百粒の米が収穫されます。

これはとても分かりやすい

増殖の例です。

水、

土、

微生物、

太陽、

そして人の手。

これらが関係し合うことで

豊かさは増えていきます。

田んぼは、

循環すると豊かさは増える

ということを

一年という時間の中で

目に見える形で示してくれます。


小さな商売

この原理は

自然の中だけの話ではありません。

人の社会でも同じです。

地域の中で続いている

小さな商売。

パン屋。

大工。

農家。

商店。

一見すると

変わらないように見える暮らしでも、

技術は蓄積され、

信頼は積み重なり、

地域の関係は深まります。

循環が続くと、

地域全体の豊かさは少しずつ増えていきます。

つまり

人の暮らしの中でも

豊かさは循環によって増殖している

のです。


豊かさ増殖原理

私はこの現象を

豊かさ増殖原理

と呼んでいます。

生き物は

物質を集め、

関係が生まれ、

循環が起きると、

豊かさは

少しずつ増えていきます。


不足OSという前提

現代社会の多くの判断は、

ある一つの前提の上に立っています。

それは

世界は不足している

という前提です。

資源は限られている。

食べ物は足りなくなる。

エネルギーは枯渇する。

人口は増えすぎる。

人は自然に負担をかける存在だ。

この前提に立つと、

社会の設計は自然にこうなります。

奪い合い。

競争。

効率化。

管理。

拡大。

不足を前提にすると、

すべての判断は

不足をどう分配するか

という問題になります。

私はこの思考の前提を

不足OS

と呼んでいます。

OSとは

Operating System。

コンピューターが動くための

基本ソフトです。

同じアプリでも

OSが違えば動き方が変わるように、

人の判断も

前提となるOSによって

大きく変わります。

不足OSの上では、

人は

消費する存在として見えます。

自然は

使い切る資源として見えます。

地域は

競争の場になります。


豊かさOS

しかしもし、

世界はすでに豊かである

という前提に立つと、

世界の見え方は大きく変わります。

生き物は

集める存在。

人は

生み出す存在。

豊かさは

循環すると増える。

この前提に立つと、

社会の問いは変わります。

不足をどう分配するかではなく、

どうすれば循環が起きるか

という問いになります。

私はこの前提を

豊かさOS

と呼んでいます。


前提が変わると世界が変わる

OSが変わると、

同じ世界でも

見えるものが変わります。

問題に見えていた場所に

余白が見える。

競争に見えていた場所に

協働が見える。

不足に見えていた場所に

循環の可能性が見える。

世界が変わったのではありません。

前提が変わっただけです。

不足ではなく構造の問題

もし世界が本来豊かであるなら、

なぜ私たちは不足を感じるのでしょうか。

それは多くの場合、

豊かさが存在しないのではなく

循環が見えていない

からです。

関係が切れている。

流れが止まっている。

前提が混ざっている。

その結果、

豊かさは存在しているのに

認知できなくなる。

私はこれを

余白が見えない状態

と呼んでいます。


思考のOS

このサイトでは、

世界の豊かさを認知するための

いくつかの道具を置いています。

それが

思考のOS

です。

教育

起業

地域経済

防災

暮らし

さまざまな分野で、

前提を整理し、

構造を見えるようにするための道具です。

特別な能力は必要ありません。

道具は、

誰でも使えるように作られています。


OSという言葉について

このサイトでは
「思考のOS」という言葉を使っています。

OSとは何か。
なぜこの言葉を使っているのか。

詳しくはこちらにまとめています。
OSという言葉について

最後に

この場所は

何かを教える場所ではありません。

世界はすでに豊かである。

その前提に

静かに気づくための場所です。

もしあなたが

どこかで

違和感を感じているのなら、

ここに置いてある道具が

役に立つかもしれません。

宣言

世界はすでに豊かである。

空気があり、

水があり、

太陽があり、

土があり、

生命が循環している。

その上に、

私たちの暮らしがあります。

それでも多くの人が

不足を感じるのは、

世界が足りないからではなく、

それを見る前提が

ずれているからかもしれません。

生き物は

物質を集める存在です。

人もまた、

生み出す存在です。

関係が結ばれ、

循環が起きるとき、

豊かさは

少しずつ増えていきます。

世界は変わらなくても、

前提が変わると

見える景色は変わります。

不足に見えていた場所に

余白が見える。

問題に見えていた場所に

可能性が見える。

ここに置いてある道具は、

その余白を見るためのものです。

特別な能力は必要ありません。

ただ、

世界を少し違う前提で

見てみるだけです。

もしかするとあなたは、

すでに豊かな世界の中で

暮らしていることに

気づくかもしれません。


この思想の背景には、

さらに二つの層があります。

原理
豊かさ増殖原理

実装
暮らしと循環のデザイン

設計思想
この港について

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