〜小規模農園の悩みを「循環」で解決する3つのヒント〜
こんにちは、すえなみです。
連日、厳しい暑さが続いていますね。
この時期、自然と向き合うお仕事をされている方、特に小規模な農園を営みながら定期便などで直接お客様に野菜をお届けしている方から、似たようなご相談をよくいただきます。
先日も、関東近郊でオーガニック農園を営む女性、Aさん(仮名)からこんなお悩みを聞きました。
「手伝ってくれるパートさんやボランティアさんに、この猛暑の中、10時からの外作業をお願いするのが本当に心苦しくて……」
「日々の出荷に追われて、農園の入り口の土手が崩れかけているのに手を出せず、毎日それを見るたびに自己嫌悪に陥るんです」
「今年はジャガイモが大豊作なんですが、定期便のお客様に追加で買ってもらうにはどう伝えたらいいか分からなくて。押し売りみたいになるのは嫌なんです」
子育てをしながら、自然にも人にも誠実に向き合おうと頑張るAさん。
でも、その優しさや責任感ゆえに、自分自身を追い込み、心の中に「モヤモヤ」を溜め込んでしまっていました。
もしあなたも、Aさんと同じように「やりたいのに、やれない」「手伝ってもらうのが申し訳ない」と一人で抱え込んでいるなら、少しだけ視点を変えてみませんか?
今日は、そんな日々の農園運営や暮らしのモヤモヤを、「循環のデザイン」という視点でふっと軽くする3つのヒントをお伝えします。
ヒント1:完璧な正解を探さず、「実証実験」として軽やかに試す
夏の暑さ対策、本当に頭を悩ませますよね。
Aさんも「涼しい早朝に作業時間をずらしたいけれど、みんなの都合もあるし、収穫と出荷の段取りが複雑になる……」と躊躇していました。
そんな時は、「実証実験」という魔法の言葉を使ってみましょう。
「決定事項」として新しいルールを押し付けるのではなく、
「今年はあまりにも暑いので、9月中旬まで実験的に『朝9時スタート』を試させてください! ダメならまた相談して戻します」
と、周囲に提案してみるのです。
ハードルを極端に下げることで、自分自身の気負いもなくなりますし、手伝ってくれる方々も「それなら試してみようか」と快く受け入れてくれやすくなります。
他にも、時間を決めて「一斉に木陰で休む(強制休憩)」ルールを作ってみるなど、まずは小さく試して、ダメなら変えればいい。そうやって柔軟に環境をチューニングしていくのも、持続可能な農園づくりの第一歩です。
ヒント2:後回しになる「モヤモヤ作業」は、非日常のイベントにする
「緊急ではないけれど、重要な課題」。
例えば、少しずつ崩れかけている土手の補修や、気になっている場所の草取り。
これらは日々の出荷(緊急かつ重要な作業)に追われると、どうしても後回しになり、農園主の心に「今日もできなかった」という小さなダメージを与え続けます。
これを日常の作業に組み込むのが無理なら、いっそ「特別枠」を作ってしまいましょう。
Aさんには、「日曜日の早朝5時〜7時」という誰もが予定を入れていない時間に、大人のボランティアさんを募る「朝活特別回」を提案しました。
・涼しく、朝の清々しい空気を味わえる
・早朝に一仕事を終えることで、自己肯定感が爆上がりする
・参加者には、ちょっといい「産みたて卵」を朝食向けにプレゼント
こんな風に、ただの「面倒な作業」を「プレミアムな体験(ご褒美)」にデザインし直すのです。参加する人にとっても気分の良い非日常となり、農園主は長年のモヤモヤが一気に片付く。まさに心地よい循環が生まれます。
ヒント3:売りたい!ではなく「お客様が動く理由」をデザインする
大豊作の野菜。農園側としては「美味しいし、絶対使うものだから買ってほしい!」「倉庫も狭いから早く捌きたい!」というのが本音です。
でも、これをそのまま伝えても、お客様はなかなか動きません。
人が動くときには、必ず「動く動機(理由)」があります。
農園の都合を押し付けるのではなく、お客様が喜んで買いたくなる理由に変換してみましょう。
- 「応援・推し活」の心理に寄り添う:「今年は美味しくできたのですが、小さな農園ゆえに倉庫が狭く困っています。もしよろしければ、まとめ買いで助けていただけませんか?」と、素直に助けを求めてみる。
- 実質的なメリットを提示する:「ジャガイモを5kgまとめ買いしていただいた方には、次回の定期便にジャガイモを入れない代わりに、別の季節の野菜を増やしてお届けします。より多くの種類の野菜を楽しめますよ」と、食卓が豊かになる提案をする。
お客様が何に価値を感じ、どうすれば嬉しいのか。その視点を持つだけで、メッセージの伝わり方は劇的に変わります。
仕組みを変えれば、心も自然も巡り出す
いかがでしたか?
「申し訳ない」という罪悪感や、「やらなきゃいけないのに」という焦り。
それは決してあなたが怠けているからでも、能力が足りないからでもありません。
ただ、今の「仕組み」や「捉え方」が、少しだけ無理をしている状態なのだと思います。
自然界に無理な状態が続かないのと同じで、私たちの暮らしや仕事も、無理なく自然に回る形にデザインし直すことができます。
物事を一つの側面から見るのではなく、全体のつながり(システム)として捉え、人も、自然も、経済も、無理なく心地よく回っていく仕組みをつくること。
私はこれを「暮らしと循環のデザイン」と呼んでいます。
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一人で抱え込まず、一緒に心地よい形をデザインしていきましょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。