新聞の経済欄は投資家目線の情報
新聞の経済欄は目にしますでしょうか。
ネットの経済ニュースでも構いません。
この情報は誰の立場のためのものでしょうか。
世の中の情報は、発信者がどの立場で発言しているのか認識した上で受けとならなければいけません。
先日、信濃毎日新聞でも増収増益の県内企業数が増えたとの記事がありました。
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023111800725
なんとなく、増収増益って聞くと会社が儲かって、社会が豊かになるのかなと思いますよね。
ですが、会社の利益が上がることは給料の増加を意味しません。
むしろ、低賃金化が進んでいる可能性もあるので注意が必要です。
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小学生の算数で分かる1分会計講座
(経済とか会計とかは大学の知識がないとできないと思いがちですが、小学校で習う算数以外使いません。算数は小学生が使うものではなく、大人が実生活で使うものです。)
(純)利益とは、売上から費用、人件費、固定費、税金を引いた残りを言います。
(純)利益 = 売上 ー (費用+人件費+固定費+税金など)
株主への配当は、この(純)利益から分配されます。
つまり、増益で増えるのは株主の配当です。従業員の給料は関係ありません。
(もちろん、配当をせずに会社に残しておいて来期の設備投資に回す会社もあるでしょう)
むしろ、給料を減らせば利益は上がります。
勘違いしがちなのは、
(純)利益の中から給料が出ているのではありません。
売上から費用として引かれるのが給料であって、給料を増やすと(純)利益を減らすことに繋がります。
このことから、
本質的に給料と株主配当は売上の分配を巡って対立する関係にあります。
一般労働者の立場に沿った経済情報を発信するのなら、人件費(賃金)上昇率もないといけませんね。
そんな報道をする新聞記事は見たことないですが。
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利益という言葉は、実は色んな種類があるので最後に整理しておきますね。
(参考: https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/oyakudachi/ordinary-income/ )
売上 ー 変動費(仕入れ原価)= 粗利(売上総利益)
粗利 ー 固定費(人件費、事務所賃貸など)= 営業利益(ほぼイコール経常利益)
経常利益 ー 特別損失(臨時出費)= 税引前当期純利益
税引前当期純利益 ー 税金(法人税など) = 純利益(これが新聞に載る利益)
ちなみに、
法人税は純利益にかかる税金なので、赤字の場合は掛からない(最低限支払う額はある)。
消費税は粗利に掛かる税金なので、純利益が赤字であっても倒産してでも払わなければいけない。
これが、ギリギリで経営している会社を更に追い詰める悪魔の税制と呼ばれる所以。
国内の生産能力を高めるのが国が最低限目指す方向なのに、真逆をいく税制をしていて衰退しないわけがない。