町会のゴミ出しトラブルで隣人を責めたくなる時|「誰が得をしているか」で構造を見る | 暮らしと循環のデザイン

町会のゴミ出しトラブルで隣人を責めたくなる時|「誰が得をしているか」で構造を見る

「町会の中で、誰が負担を負うかでちょっとした対立が起きているんです」

ある地域で暮らす方とのセッションで、こんなお話を伺いました。 その地域では、近隣の企業で働く外国人労働者が増えていました。それ自体は時代の変化ですが、文化や生活習慣の違いから、ゴミ出しのルールなどでちょっとしたトラブルが起きるようになります。

すると、その対応や指導といった「負担」が、町会の一部の役員や、気づいた住民に偏ってしまいました。 結果として、町会の内部で「なんであの人はやらないの」「私ばかりが大変な思いをしている」と、住民同士の不満や分断が生まれ始めていたのです。

普通、こうした場面に遭遇すると、「やらない人が悪い」「みんなで公平に分担すべきだ」と、当事者同士の話し合いで解決しようとします。あるいは、「多様性を受け入れよう」「みんな仲良くしよう」という善意で、無理をして飲み込んでしまうかもしれません。

しかし、視点を少し高く引き上げて「構造」を見てみると、全く違う景色が見えてきます。

そもそも、外国人労働者を受け入れて「利益(労働力)」を得ているのは誰でしょうか。それは、彼らを雇用している近隣の企業です。 一方で、生活習慣の違いによる摩擦や、それに伴う教育・調整の「負担」を背負わされているのは誰でしょうか。それは、地域の住民(町会)です。

つまり、企業が得るべき利益のために発生する「見えないコスト」が、地域社会に外部化(押し付け)されている状態なのです。

この構造に気づかないままでは、住民同士で「誰がゴミ当番をやるか」でいがみ合うことになります。本当の問題は「隣人が手伝ってくれないこと」ではなく、「利益と負担のバランスが歪んだ構造」にあるにもかかわらず、です。

「みんな仲良く」という善意のベールに包まれていると、こうした搾取の構造は非常に見えにくくなります。

あなたの職場やコミュニティで起きている人間関係のトラブルや不満。 それも実は、当事者の性格や能力の問題ではなく、見えないところで「負担と利益の歪み」を生み出している構造のせいかもしれません。

目の前の揉め事から一歩下がり、誰がどこで影響を受けているのか、その関係性の全体図を描き出すこと。私がつくっているデザインツールは、そのための「見晴らしの良い視点」を提供するためにあります。

デザインツールを使って整理したい方は

→ 暮らしを自分でデザインする

トップへ戻る