【あおいとけんじのカフェ談義②】SNS疲れしてない?ウェブサイトを持つ本当の意味(ストックとフローの話)

【あおいとけんじのカフェ談義②】SNS疲れしてない?ウェブサイトを持つ本当の意味(ストックとフローの話)
場所: いつものカフェ、窓際の席
登場人物:
- あおいさん: 前回のリソース管理を意識し始めたデザイナー。次は情報発信に悩み中。
- けんじさん: Web系の個人事業主。あおいさんの良き相談相手。
あおい: 「ふぅ…。(スマホを見ながら溜息)」
けんじ: 「あれ、あおいさん、また溜息ついてる。今度はどうしたの?」
あおい: 「けんじさん…。あの、情報発信なんですけど、やっぱりSNSを頑張らないとダメなのかなって。でも、正直ちょっと苦手で…。」
けんじ: 「ああ、情報発信ね。SNSが苦手って、具体的にどのへんが?」
あおい: 「なんか、常に何か投稿しなきゃってプレッシャーもあるし、コメントとかDMとか、すぐ反応しないといけない感じが…。あと、せっかく考えて投稿しても、どんどん情報が流れちゃって、手応えがあまり感じられないというか…。」
けんじ: 「なるほどね。SNSってそういう『フロー型』のメディアだからね。」
あおい: 「フロー型?」
けんじ: 「うん、川の流れ(Flow)みたいに、情報がリアルタイムでどんどん流れていくタイプ。SNSとかメルマガ、LINEなんかがそう。気軽に始められて交流しやすいけど、情報は蓄積されにくいんだ。」
あおい: 「確かに!過去の投稿なんて、自分でもほとんど見返さないですもん。」
けんじ: 「でしょ?それに対して**『ストック型』**っていうのもあるんだよ。」
あおい: 「ストック型?」
けんじ: 「在庫(Stock)みたいに、情報がどんどん蓄積されて資産になっていくタイプ。代表的なのが、ウェブサイト(ホームページ)とかブログ。」
あおい: 「ウェブサイトやブログ…!たしかに、情報がずっと残ってますね。」
けんじ: 「そう。それに、ストック型のコンテンツはGoogleとかの検索エンジンにも評価されやすい。だから、あおいさんのサービスを必要としている人が、検索を通じて見つけてくれる可能性があるんだ。」
あおい: 「検索から!それは大きいですね!」
けんじ: 「それに、ちゃんと自分のウェブサイトがあると、『この人はちゃんと実体があるんだな』っていう信頼感にも繋がる。特に、あおいさんみたいな形のないサービスを提供している場合は大事だと思うよ。」
あおい: 「なるほど…。SNSは『交流の場』、ウェブサイトは『自分の本拠地であり、情報資産を貯める場所』って感じですか?」
けんじ: 「まさにそんな感じ!だから、SNSが苦手なら無理に頑張らなくても、まずウェブサイトっていう『家』をしっかり作って、そこにブログとかで『資産』を貯めていくのが、中長期的にはすごく有効だと思うよ。SNSはそのウェブサイトへの『案内板』みたいに使うとかね。」
あおい: 「そっか!SNSは絶対やらなきゃって思ってたけど、そういう考え方なら、私にもできそうです!まず自分の『家』を作ることから考えてみます!」
けんじ: 「うん、それがいいと思う。焦らず、自分に合ったやり方で、価値を積み上げていこう。」
あおい: 「はい!ありがとうございます!」
解説
「SNSを頑張っているけど、なかなか成果に繋がらない…」 「情報発信しなきゃとは思うけど、何から手をつければいいの?」
個人事業主にとって、自身のサービスや活動を知ってもらうための情報発信は不可欠です。しかし、SNS疲れを感じたり、発信方法に悩んだりする方も多いのではないでしょうか?
今回は、あるコーチングセッションでの対話から見えてきた、情報発信の「ストック型」と「フロー型」という考え方と、それぞれの特徴、そして個人事業主がどのように使い分けるべきかについて解説します。
◆情報発信には2つのタイプがある
情報発信の方法は様々ですが、大きく「フロー型」と「ストック型」に分けられます。
- フロー型(Flow):
- 特徴: 情報が次々と流れていく、リアルタイム性の高い発信。
- 例: SNS(Instagram, Facebook, Xなど)、メールマガジン、LINE公式アカウントなど。
- メリット:
- 気軽に始めやすい。
- フォロワーや登録者と直接的なコミュニケーションが取りやすい。
- リアルタイムな情報(イベント告知、日々の活動報告など)を届けやすい。
- デメリット:
- 情報が流れ去りやすく、過去の情報は見られにくい。
- Googleなどの検索エンジンには基本的に引っかからない(=検索からの新規流入は期待しにくい)。
- 常に発信し続けないと忘れられてしまう可能性がある。
- プラットフォームの仕様変更に影響を受けやすい。
- ストック型(Stock):
- 特徴: 情報が蓄積され、資産として残っていく発信。
- 例: ウェブサイト(ホームページ)、ブログなど。
- メリット:
- 作成したコンテンツ(記事、ページ)が資産として残り続ける。
- Googleなどの検索エンジンに評価され、検索からのアクセス(新規顧客獲得)が期待できる。
- 体系的な情報(サービス詳細、理念、専門知識など)を伝えやすい。
- 信頼性の基盤となりやすい(「ちゃんと存在する」感)。
- デメリット:
- 立ち上げやコンテンツ作成に手間やコストがかかる場合がある。
- すぐに効果が出るとは限らない(中長期的な視点が必要)。
◆あなたに合った発信方法は?
どちらが良い・悪いではなく、それぞれの特性を理解し、自分のビジネスや性格に合わせて使い分けることが重要です。
- SNS(フロー)が向いている人/場面:
- リアルタイムな交流を楽しめる人。
- 日々の活動や人柄を発信したい人。
- 既存顧客とのコミュニケーションを密にしたい場合。
- 短期的なイベント告知など。
- ウェブサイト/ブログ(ストック)が重要な理由:
- ビジネスの「本拠地」: あなたのビジネスに関する全ての情報が集約され、いつでも誰でもアクセスできる場所。
- 信頼性の担保: 特に、形のないサービスを提供する個人事業主にとって、「実体」を示す重要なツール。
- 検索からの入口: あなたのサービスを必要としている人が、検索を通じてあなたを見つける可能性を高める。
- 情報資産の構築: 時間をかけて書いた記事や情報は、将来にわたって価値を生み出す資産となる。
◆おすすめの考え方
コーチングセッションでは、特に**「ストック型の情報発信基盤(ウェブサイト/ブログ)をまず構築すること」**が推奨されていました。
- ウェブサイトを「家」とする: まずは、あなたのビジネスの「家」となるウェブサイト(最初は簡単なものでもOK)を作りましょう。
- ブログで「資産」を積み重ねる: 専門知識、考え、活動報告などをブログ記事として定期的に発信し、情報資産を増やしていきます。
- SNSは「窓口」や「拡声器」: ウェブサイトやブログの更新情報、イベント告知などをSNSでシェアしたり、興味を持ってくれた人との交流に使ったりします。必ずしもSNSで全ての情報を完結させる必要はありません。
◆SNSプレッシャーから解放されよう
「個人事業主はSNSをやらなければならない」ということはありません。SNSが苦手だったり、ストレスを感じたりするなら、無理に頑張る必要はないのです。チラシ、口コミ、プレスリリース、地域の情報誌など、他の方法も有効です。
大切なのは、あなたのビジネスの価値を、あなたに合った方法で、必要としている人に着実に届けることです。そのためにも、中長期的な視点で価値を生む「ストック型」の情報発信について、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。
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