【あおいとけんじのカフェ談義①】もう燃え尽きない!個人事業主は「リソース管理」で自分を守ろう

【あおいとけんじのカフェ談義①】もう燃え尽きない!個人事業主は「リソース管理」で自分を守ろう

後半に解説があります。


場所: 松本市内のお気に入りのカフェ

登場人物:

  • あおいさん: デザイン系の個人事業主。独立して1年。情熱はあるが、働きすぎて少しお疲れ気味。
  • けんじさん: Web系の個人事業主。独立して数年。あおいさんの相談相手。

あおい: 「はぁ〜…けんじさん、聞いてくださいよ。最近、なんだかずっと疲れてて…。」

けんじ: 「お、あおいさん、どうしたの?目の下にクマができてるよ。」

あおい: 「ですよね…。独立して自由なはずなのに、気づけば夜中まで仕事しちゃって。休みの日も、問い合わせのメールが来たら、つい対応しちゃうんですよね。『空いてる時間=仕事しなきゃ』みたいな感じで…。」

けんじ: 「あー、それ、独立したての頃の僕も全く同じだったよ(苦笑)。会社員時代の感覚が抜けなくて、『会社の時間割』がない代わりに、全部が『仕事の時間』になっちゃうんだよね。」

あおい: 「そうなんです!まさにそれ!でも、どうしたらいいのか…。」

けんじ: 「僕が意識し始めたのは、『時間管理』っていうより**『リソース管理』**かな。」

あおい: 「リソース管理?時間管理と違うんですか?」

けんじ: 「うん、ちょっと発想を変えるんだ。まず、**『自分自身がちゃんと機能するために絶対に必要な時間』**をスケジュールにガチッと確保しちゃうの。」

あおい: 「自分のための時間…ですか?」

けんじ: 「そう。十分な睡眠、ちゃんと休む日、趣味やインプットの時間、あと、あおいさんみたいに対人サービスだと、仕事の後の**『回復時間』**もすごく大事。それを『仕事以外の空き時間』じゃなくて、『最優先で確保すべき時間』として先にスケジュールに入れちゃうんだ。」

あおい: 「なるほど…!先に自分のための時間をブロックしちゃうんですね。」

けんじ: 「その通り。そうすると、残った時間と、その時の自分のエネルギー状態が、あおいさんが**『仕事に使えるリソース(資源)』**として見えてくる。料理する時に、冷蔵庫の中身(使える材料)を確認するのと似てるかな。」

あおい: 「そっか…!今までは、無限に時間がある前提で、仕事の依頼が来たら詰め込んじゃってました。」

けんじ: 「でしょ?でも、実際のリソースは限られてる。だから、その限られたリソースの中で、『どの仕事にどれだけ配分するか』を考えるのが、個人事業主の『リソース管理』なんだ。そうすれば、無理なく、質の高い仕事を続けられるようになると思うよ。」

あおい: 「リソース管理…!目からウロコです。まず、自分がちゃんと休む時間を確保することから始めてみます!」

けんじ: 「うん、それが第一歩だね。燃え尽きちゃったら、元も子もないからさ。自分を大切にすることも、大事な仕事のうちだよ。」

あおい: 「ありがとうございます!なんだか、少し光が見えてきました!」

解説

「なんだかいつも時間に追われている…」 「休む暇なく働いているのに、思ったように進まない…」

個人事業主として独立したばかりの方や、フリーランスとして活動する中で、こんな悩みを抱えていませんか?会社員時代とは違い、時間の使い方は完全に自由。だからこそ、陥りやすい「時間管理の落とし穴」があります。

今回の記事は、ある起業&経営コーチングセッションでの対話をもとに、個人事業主が心地よく、持続的に働くための「リソース管理」という考え方をご紹介します。

◆会社員時代の「時間管理」を引きずっていませんか?

多くの場合、会社員は「会社のスケジュール」がまずあり、その「空き時間」に自分のプライベートな予定を入れていました。しかし、個人事業主がこの考え方をそのまま持ち込むと、どうなるでしょうか?

  • 問い合わせが来たら、自分の休息時間を削って対応してしまう。
  • 「空いている時間=仕事ができる時間」と考え、際限なく仕事を入れてしまう。
  • 結果、常に時間に追われ、疲弊し、仕事の質も低下する…。

これでは、せっかく自由な働き方を選んだのに、本末転倒ですよね。

◆発想の転換:「自分の時間」を最優先するリソース管理

コーチが提案するのは、**「まず、自分のために必要な時間(休息、回復、インプット、プライベートな楽しみなど)を確保する」**という考え方です。

  1. 自分のための時間をスケジュールに「先に」入れる:
    • 十分な睡眠時間、休息日、趣味の時間、自己投資の時間など、心身の健康とエネルギーを維持するために不可欠な時間を、最優先で確保します。これは「空き時間」ではなく「必要な時間」です。
    • 特に、エネルギーを使う仕事(対人支援、クリエイティブワークなど)の後は、「回復時間」も忘れずにスケジュールに組み込みましょう。これも立派な仕事の一部です。
  2. 残った時間と労力が「仕事に使えるリソース」:
    • 自分のための時間を確保した上で、残った時間とエネルギーが、あなたが1ヶ月で「仕事のために使えるリソース(資源)」となります。
  3. リソースの範囲内で仕事の計画を立てる:
    • この限りあるリソース(時間・労力)の範囲内で、どの仕事(タスク)にどれだけのリソースを配分するかを計画します。

◆リソース管理がもたらすメリット

  • 燃え尽き防止: 自分の限界を知り、無理のない範囲で働けるため、心身の健康を保てます。
  • 仕事の質の向上: 十分な休息とエネルギーにより、集中力が高まり、質の高い仕事を提供できます。
  • 現実的な計画: 「やりたいこと」だけでなく「できること」が明確になり、実現可能な計画が立てられます。
  • 価格設定の根拠: 自分の時間と労力(準備や回復時間も含む)の価値を正しく見積もり、適切な価格設定に繋がります。
  • 主体的な働き方: 外部からの要求に振り回されず、自分のペースで仕事を進められるようになります。

◆まず、やってみよう!

まずは1ヶ月分のカレンダーを用意し、「自分のために絶対に必要な時間」を書き込んでみてください。そして、残った時間がどれくらいあるか、客観的に眺めてみましょう。それが、今のあなたが仕事に使える「リソース」です。

この「リソース管理」の考え方を身につけることで、個人事業主としての働き方が、より健康的で、持続可能で、充実したものになるはずです。

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