迷子の私が見つけた宝物。「楽していいんだ」が教えてくれた、本当の強み 起業物語1/6

夕暮れの帰り道、ため息が白く染まる。
ヨガインストラクター養成講座を終えたばかりの私、佐々木優子は、ぼんやりと街灯を見上げていた。
「もっと難しいアーサナ(ポーズ)を指導できなきゃ、プロとは言えないのかな…」
「大勢の前でも堂々と教えられるようにならなきゃ…」
焦りだけが空回りする毎日だった。
先日、思い切って起業コーチのMさんに相談した。
「実は…一対一のパーソナルレッスンの方が、正直、気が楽なんです。でも、それって経験が浅いから、大変なことから逃げているだけなんじゃ…」
Mさんは穏やかに微笑むと、こう尋ねた。
「優子さん、以前は養護教諭をされていたんですよね?どんな時にやりがいを感じましたか?」
ハッとした。
保健室で、一人ひとりの生徒の心と体にじっくり向き合い、小さな変化に寄り添えた瞬間。
そうだ、私はいつも、大勢を相手にするより、一人ひとりの物語に深く関わることに喜びを感じてきたんだ。
「優子さん」Mさんが続けた。
「『楽だと感じる』ということは、あなたが自然体で、無理なく力を発揮できるということ。それは『逃げ』ではなく、あなただけの『才能』のサインかもしれませんよ。 人は、本当に得意なこと、自分に合っていることは、驚くほどスムーズに、そして楽しくできてしまうものなんです。」
Mさんの言葉は、私の中にあった分厚い霧を晴らしてくれたようだった。
難しいことに挑戦するのが「成長」で、楽なことを選ぶのは「甘え」だと思い込んでいた。でも、違ったんだ。
私が「楽だ」と感じるパーソナルレッスンは、生徒さん一人ひとりの体調や心の声に耳を澄ませ、その人だけのヨガを見つけるお手伝いができる、私にとって最も情熱を注げる形だった。
養護教諭時代の経験も、そこでなら最大限に活かせる。
帰り道、もうため息は出なかった。
代わりに、胸の奥から温かいものが込み上げてくる。
私が見つけた「楽」という名の宝物。
これを磨いて、誰かのために役立てていこう。
そう決めたら、足取りが少し軽くなった気がした。
あなたは今、何かに「苦労」することで価値を生み出そうとしていませんか?
もしかしたら、あなたのすぐそばにある「楽なこと」こそが、誰かを幸せにする一番の近道なのかもしれませんよ。
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